呼吸器内科とは、主に気管支・肺など、息の通り道に関する器官を診る科です。
呼吸は生きる上で命に関わる、とても大切なファクターです。院長の私は呼吸器内科およびアレルギーの専門医です。専門としているため内科の中でも「呼吸器科」は当院の名前にも入れさせていただきました。当院は週7日診療(土日も診療)のため院長以外の診療日もありますが、どのドクターでも同じ診療ができるように呼吸器内科としての診療内容をシェアしています。また、それぞれの医師が困った場合、すぐに院長と連絡が取れるようになっています。
呼吸器の症状は急に発症することも多いので、困ったときはいつでも当院までお越しいただければと思います。
呼吸器疾患は、症状を元にどの疾患なのか鑑別するのが大変難しい病気です。ほとんどの病気で咳は出ますし、痰の有無である程度の鑑別はできるものの、断定まではできません。
そのため、症状以外の問診、聴診、検査がとても大切です。上記のような症状でお悩みの方は、まずはお気軽にご相談ください。
「気胸」「肺癌」「結核」などの疑いはレントゲンで精査することが可能ですが、診断・治療は連携している総合病院をご案内させていただきます。
たかが咳、されど咳…。
診察していると、様々なタイプの症状が存在します。
✓ ちょっとした咳だから、とりあえず薬だけ欲しい
✓ 咳が激しく、市販薬が効かないから診て欲しい
問診票で咳にチェックが同様についていても、この2つの症状を比べると温度差がかなりあります。この2名の方に一辺倒な治療をしても両者ともに不満が募ると思います。そのため当院では初診(再初診の方も含む)の方には、症状およびご希望に柔軟に対応できるよう、
の3つから選択できるようにしております。
Bを選択された方は軽症の方が多いでしょうし、Cを選択された方は症状が重く直らない方が多いかと思います。
このように、同じ呼吸器症状でも、患者様のニーズに合わせて柔軟な対応ができればと考えております。ただし、副作用が強い薬や、抗菌薬、吸入ステロイドなど、初期に投与しその後治らなかった場合に診療が困難になるものは、検査後の処方をお願いする場合があります。
患者様を思ってこその提案だと思っていただけますと幸いです。
呼吸器の症状として最も多いのは咳かと思います。当院でも咳の治療には特に力を入れております。
そのため、私が従事した経験のある総合病院、大学病院とできる限り同じ診療の質を提供したいと思い色々な機器を準備いたしました。
その一部をご紹介します。
胸部レントゲン写真を撮影すると、肺の中の器質的異常を発見することができます。肺炎や感染症、気胸、肺癌などの肺に関わる病気のほとんどはレントゲン写真を疑うことから始まります。つまり、レントゲン撮影をしないことには、肺の病気のほとんどが疑わしいかどうか分からないということです。
このような症状でお悩みの方は、まずはレントゲン撮影を検討することをお勧めします。
一方で、レントゲンで気になることといえば「被ばく量」かと思います。突然ですが、海外旅行に行くときに、被ばく量を気にされる方はいらっしゃいますでしょうか?実は、レントゲン撮影1回の被ばく量は日本からアメリカへ1度行く自然被ばく量とほど同じです。つまり、正面・側面の2方向から撮影したとしても、日本~アメリカ間を往復した程度の被ばく量でしかありません。
また、妊娠中の方には防護服をご用意しております。撮影の前に妊娠の旨をお伝えいただけましたら装着できますので、お腹の赤ちゃんには全く影響しません。むしろ被ばくを恐れて、肺炎や結核などを見過ごしてしまう方が大きな問題になります。
レントゲン写真には、
という2種類の機械があります。CRはレントゲン写真用のプレートをX線画像の記録に使用します。X線がプレートに吸収されたら露光したプレートがスキャンされ、その後放出光がデジタル画像として変換されます。プレートを差し込む手間や、デジタルに変換されるまでの時間が、患者様の待ち時間に繋がってしまうというデメリットがあります。一方、DRはフィルムではなく画像認識素子という特殊な撮影方法を用いています。CRのようにプレートの交換やデジタル変換をする必要がないため、高速撮影が可能です。さらに、瞬時に画像変換されるため高い解像度をほこり、総合病院の設備に負けないような画質となっております。当院では患者様第一と考え、DRでのレントゲン撮影をご準備しております。少しでも被ばくを抑え、患者様の待ち時間を減らせるよう努めてまいります。
呼気NO検査は呼吸器内科専門のクリニックとして今や必須の検査になりつつあります。咳の原因の多くは感染症かアレルギーだと言われています。感染症の有無をレントゲンである程度判断した後は、アレルギーの炎症かどうかを調べます。アレルギーによる炎症は息の成分を調べることで分かりますが、これを呼気NO検査と言います。この検査は2010年頃に登場した新しい検査方法です。NO(一酸化窒素)とはアレルギーの炎症(好酸球炎症)がある方に発生する物質です。呼気に含まれるNOの量を、息を吐くだけで測定することができます。ふーっと一定の流量で息を吐くだけの検査ですので、痛くもかゆくもありません。呼気NO検査はアレルギーの炎症で咳が出る気管支喘息、咳喘息の鑑別に有用な検査です。逆にこの検査を受けていない場合、本当に気管支喘息もしくは咳喘息なのか疑問が残ります。
この呼気NO検査には注意点が1点あります。それは、この検査は治療が開始される前の状態で測定しておく必要があるということです。なぜなら、治療を開始してから呼気NOを測定しても、
呼気NOが低い場合に
という2つの可能性があるからです。この判断があいまいになると、仮に病気が治らなかったときに原因がよく分からなくなってしまいます。そのため、当院では患者様のことを考えた上で胸部レントゲン写真および呼気NO検査を、治療の前にお願いしております。
このような場合は胸部CTを検討する必要があります。ただし、胸部CTはX線を用いて胸部の断層写真を撮影する検査のため、レントゲン写真の200倍の被ばく量があります。そのため、CT撮影が必要かどうかは慎重に判断します。
当院では
といったことは患者様のご負担を考慮した上でいたしません。また、胸部CTは当院では撮影できない検査ですが、必要時は連携している病院を紹介いたしますのでご安心ください。総合病院同様、柔軟に対応できるようにいたします。
胸部CT検査は、体を断層にして撮影いたしますので、気管支や肺以外にも、
など様々な部位が撮影されます。そのため読影が難しく、呼吸器内科医では肺や気管支のことは分かっても、それ以外の部位は専門家でないと分からないケースがあります。
などを見落とさないよう、当院では放射線科医の先生の読影結果を元にダブルチェックで診察しております。呼吸器内科だから肺以外の部位は診ない、ということはございませんので安心して検査を受けることができます。
この他にも、
など、総合病院と比べても遜色のない検査ができるよう準備しております。胸部CTのように、当院ではできない検査は連携している病院と協力させていただきますので、呼吸器に関しては総合病院に受診したつもりでご来院ください。
細かな診断をしたうえで治療を受けてほしいと思っています、ひどい咳は、肺や気管支に何らかのエラーが起きていることを知らせる警報器のようなものです。一般的な咳止めで様子を見てよいかどうかは、検査なしでは判断できません。診断もしくは疑わしい病態がつかめたとき、ケースバイケースでベストな治療薬を選択できるようにいたします。
例えば、昔の気管支喘息の治療は吸入ステロイド単剤がメインでした。しかし現在ではβ②刺激薬と吸入ステロイドの合剤が主流になっております。さらに新しい治療薬や注射剤も登場しています。当院では毎週製薬会社との勉強会を開き、常に新しい知識を取り込むための取り組みを行っております。「こんな治療があるならやりたかった…」というようなことが無いように、新しい治療をご提供できる準備をしております。もちろん、総合病院でしかできない治療は適切なタイミングでご紹介させていただきます。
また、細かな検査ができるということは、予想以上に状態が悪かったなどのことも当日に分かります。内服薬や吸入薬のみで初期治療が不十分な場合、
といった治療が必要になります。当院は診断はもちろん、治療にも力を入れております。当院でこれらの治療が受けられるよう準備いたしました。点滴室は5人対応、ネブライザーも複数台用意しております。
当院では、入院手前までの治療を受けられるよう準備しております。