肺炎球菌ワクチン

肺炎球菌ワクチン

肺炎球菌ワクチンの料金
ニューモバックス 8,250円(税込)
ニューモバックス(公費) 3,000円(税込)
プレベナー 11,000円(税込)

ニューモバックスは、年齢によっては公費で受けることができます。必要書類や条件がありますので、受付にて確認させていただきます。

肺炎球菌は名前のごとく、肺炎を引き起こす細菌です。特に免疫力が弱い乳幼児や高齢者の方に感染力が強く、高齢者の肺炎の起炎菌として一番多い菌にもなります。
肺炎球菌が肺に炎症を起こすと、一気に炎症が広がり急激に悪化する特徴があります。さらに、肺炎球菌は莢膜でおおわれているため、免疫機能が働きにくいため自然に治ることが少ないです。
現在、日本の死亡原因の第3位が肺炎となっており年間12万人以上に達します。特に高齢者の方の死因としてはかなり高く80代だと心疾患を抜き2位に、そして90代の方ですと死亡原因の第1位が肺炎となります。

肺炎の主な症状は、咳、痰、発熱など風邪の症状と似ており、「風邪をひいたかなぁ」と様子をみてたら、一気に悪くなり呼吸状態の悪化、さらには命を落とす危険もある怖い病気です。このように肺炎球菌は感染症として頻度がある程度予想されるうえに、感染すると命を落とす危険性もある怖い菌です。そのため肺炎球菌には2種類の予防接種が登場しております。

  • ニューモバックスNP23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン)
  • プレベナー13(沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン)

乳幼児にはプレベナーのみの適応ですが、高齢者の方は希望に応じて2種類から選ぶことができます。

厚生労働省が5年ごとの定期接種として推奨しているのは、ニューモバックスの方です。そのためニューモバックスのみ公費が適応されています。高齢者の方はプレベナーをさらに併用することで、ブースター効果がかかり効果が強くなります。

なおワクチン接種は、現在どちらが先が良いといったデータはありません。また片方の注射を打ってから半年から1年空ければもう一つ接種することが可能となります。

当院は呼吸器内科も標榜していることから一人でも多くの方がニューモバックスおよびプレベナーを接種いただければと思います。

よくある質問

ニューモバックスとプレベナーは何が違うの?

肺炎球菌の型および製造方法が違います。

2種類あることで患者様からすると何が違うのか気になるところかもしれません。

それぞれの違いについて簡単に表にしてみました。

※スクロールで全体を表示します。

ニューモバックス プレベナー
承認時期 1988年 2014年
販売会社 MSD株式会社 ファイザー株式会社
含まれている種類 23種類 13種類
接種可能年齢 (2歳~64歳)
65歳以上の方
2か月以上6歳未満
65歳以上の方
公費対応可能年齢 65・70・75・
80など、65歳から5の倍数
2か月以上
6歳未満
接種方法 皮下注射 筋肉注射 筋肉注射
ワクチンの種類 莢膜ポリサッカライドワクチン 蛋白結合ワクチン
免疫記憶 なし あり

ニューモバックスは日本では1988年に承認されたワクチンで、「莢膜ポリサッカライド」という、肺炎球菌の莢膜の一部を体に投与する注射です。この莢膜があることによって肺炎球菌は、人間の免疫細胞から身を守り攻撃を受けづらくなっているのですが、ニューモバックスを接種すると莢膜に対する抗体(膜を攻撃する免疫細胞)がつくられ、肺炎球菌への免疫細胞作用が増強されます。ちなみに肺炎球菌は80-90種類のタイプがいるのですがニューモバックスはそのうち頻度が高い、23種類の型が含まれたワクチンとなっております。

一方のプレベナーは日本では2014年に、成人に対する効果が承認されたワクチンとなります。ニューモバックスに含まれていない種類を含む、計13種類の肺炎球菌に対応する成分が含まれます。7価のものは以前から乳幼児用として使われており、現在は乳幼児に使用しているのも13価のものに変更されています。プレベナーは蛋白結合ワクチンといって肺炎球菌莢の一部のタンパクを不溶性とした不活化ワクチンとなります。簡単にいえば

ニューモバックス→肺炎球菌のタンパク質ない プレベナー→肺炎球菌のタンパク質ある

となります。このタンパク質があるとB細胞のみならず、T細胞といった免疫細胞も活性されるため、

  • ニューモバックスはB細胞のみが活性化される
  • プレベナーはT細胞、B細胞ともに活性化される

ようになります。 このT細胞は免疫を活性化し、メモリーB細胞を誘導できます。このメモリーB細胞に肺炎球菌を記憶させておくことで、いざ肺炎球菌に感染したときに早急に対応できるようになります。メモリーB細胞ができることで、ニューモバックスとはない免疫細胞を取得できるため、2つ接種することで単独より強いブースター効果を得られると言われております。

肺炎球菌ワクチンが勧められている人は

65歳以上、または呼吸器疾患や免疫力が低下する疾患をお持ちの方が対象になります。

怖い病気の肺炎球菌ですが全ての人が接種する必要はありません。

積極的な定期接種が勧められている患者様が厚生労働省で以下のように記載されています

  • 65歳以上の高齢者の方
  • 乳幼児の方
  • 気管支喘息やCOPD(肺気腫)など呼吸器疾患を患っている方
  • 心筋梗塞などの心臓の持病がある方
  • 糖尿病や腎臓の持病など免疫力が低下している方
  • 脾臓を摘出された方

このような方が肺炎球菌に罹りやすい、もしくは肺炎球菌に罹った際に重篤化しやすいことから対象になっております。

特に高齢者の方は強く国も推奨しておりニューモバックスの5年ごとの定期接種をお勧めしております。65歳以上で上記疾患もある方は当院の方から肺炎球菌ワクチンの接種を逆にお勧めさせていただくこともあります。

ニューモバックスとプレベナーどちらから打った方が良いの?

ニューモバックス公費のタイミングでどちらが先が良いか決まります。

どちらか片方でも効果はあるのですが、可能であれば当院ではニューモバックスとプレベナー両方接種をお勧めしております。プレベナーでメモリー細胞が作られるうえに、ニューモバックスで広くカバーすることで肺炎球菌に罹るリスクが単独よりも抑えることができるからです。ただし同日に同時接種はできないためどちらを先に接種するか決める必要があります。現在感染症学会でもどちらが先に打った方が良いか見解はまだ出てないので、絶対にどっちが先が良いという回答はありません。そのため重要なのがニューモバックスの公費のタイミングです。
ニューモバックスが公費負担になる人は、65歳、70歳、75歳・・・と5の倍数の年齢の方が対象になります。年度の中で誕生日で5の倍数になれば良いので、64歳や69歳の年齢でも対象になる方がいます。対象者は市から通知が来るので見落とさないようにしましょう。
このニューモバックスの公費のタイミングを逃して66歳になってしまうと、ニューモバックスも自費で投与することになってしまいます。そのためニューモバックスが公費のタイミング、もしくはもうすぐ公費のタイミングになる方はニューモバックスを公費で打つように心がけましょう。

一方で67歳、72歳など公費とは無縁の年齢の方はプレベナーから接種することをお勧めしております。プレベナーを打ってから1年はニューモバックスの接種空けるよう推奨されているため、公費になる時期を待ってニューモバックスを接種いただければと思います。

肺炎球菌ワクチンの副作用は?

肺炎球菌の肺炎に罹ることはありません。20-30%の方に副反応を認める可能性があります。

一部の方に免疫反応で、

  • 頭痛
  • 悪寒(寒気)、倦怠感(だるさ)

などが見られます。これは決して肺炎球菌の予防接種を投与して肺炎にかかってしまったわけではありません。肺炎球菌の予防接種は肺炎球菌ワクチンの一部を投与する不活化ワクチンです。そのため肺炎球菌の予防接種を投与したから肺炎にかかるということはありません。これは肺炎球菌ワクチンに対しての免疫の過剰反応で起きていることがおおいので、むしろ肺炎球菌ワクチンが効いていると感じていただければと思います。
一番多い副作用が、注射部位の

  • 紅斑
  • 腫脹
  • 発赤

が20-30%の方に認めると言われています。これは肺炎球菌ワクチンに限らず、注射投与すると一定確率でどうしても起きてしまう副反応というものです。このような反応はインフルエンザの予防接種などでも起こるため過剰に心配する必要はないです。

肺炎球菌ワクチンの効果は?

3割から5割程度抑制されると言われています。

ニューモバックス、プレベナーとも接種しないときよりもした方が、全体の肺炎を3割から5割程度抑制したという論文が出ております。ただし、

  • 年齢
  • 合併症
  • 生活環境

によって大きく変わりますので、人によって効果はかなり差があります。また100%ではないため、両方接種したとしても発熱、咳、呼吸困難等あれば、早めに医療機関を受診し肺炎の有無を調べるように致しましょう。

肺炎球菌ワクチンが打てない人は?

体調が悪い方、発熱している方、妊娠中の方は投与を控えた方が良いです。

肺炎球菌ワクチンは、わざと弱い免疫反応を起こして認識させる必要があります。発熱時や体調が悪い時などで、ばい菌と免疫細胞が戦っている時に、無理に肺炎球菌ワクチンを接種しても、十分に効果を発揮しない可能性があります。そのため体調がすぐれない方や発熱がある方は後日接種を勧めております。また妊婦さんに対しては、基本的には肺炎球菌ワクチンは接種できないことになっています。妊娠を希望されている方も、ワクチン接種後2ヶ月は避妊が推奨されているため、ご自身のライフワークと相談して肺炎球菌ワクチンの投与日を決めていただければと思います。

肺炎球菌ワクチン予防接種後にしてはいけない行動は?

激しい運動や飲酒は控えましょう。お風呂は大丈夫ですが、長湯しないようにしてください。

肺炎球菌ワクチンは先ほどの副作用で述べたように、投与後免疫反応で熱や倦怠感が出る可能性があります。そのため運動や飲酒で活性化する可能性があるので、肺炎球菌ワクチン予防接種後から24時間は空けるようにしましょう。また歯医者で抜歯などの処置なども接種後はお控えください。逆に言えば飲み会や歯医者など予定がある方はその日は避けた方が良いです。一方でお風呂に関しては入っても問題ありません。ただし予防接種部位を強くこすったり長湯に入らないように致しましょう。

肺炎球菌ワクチンは予約が必要なの?

基本予約での対応をお願いいたしております。

当院ではニューモバックス、プレベナーともに在庫がありますが、どうしても当日何人か接種後にはすぐに取り寄せることができません。そのためぜひ予約でのご対応をお願いしております。事前に予約していただければ、患者様の分を確保してお待ちいたしております。一方でもし受診時に在庫があれば予約外での接種もできなくはないです。診察時に在庫確認したうえで医師から提案する場合もありますのでよろしくお願いいたします。

まとめ

肺炎球菌は高齢者を中心に最も可能性が高い菌であると同時に、肺炎として罹患すると急激に症状が悪化する病気です。詳しくは肺炎のページをご参照いただければと思います。 私も呼吸器内科医として多くの肺炎球菌で苦しんでいる方を診察しました。残念ながら、何人かは命を落とされた方もいます。ぜひ肺炎球菌に罹ってから慌てるのではなく、肺炎球菌に罹らないようにリスクがある人は予防していただければと思います。

 

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