腹痛

腹痛でお悩みの方へ

暴飲暴食や冷えなどで起こる一時的な腹痛は問題ありませんが、疾患が原因になって生じている腹痛の場合には適切な治療が必要になります。また、腹痛は緊急処置が必要な状態で起こることもあり、注意が必要です。

こんな腹痛がある場合には速やかな受診が必要です

  • 急に激しい腹痛が起こった
  • 腹痛がある、同時に息苦しさを感じる
  • 24時間以上、腹痛が続く
  • 徐々に痛みが増す
  • 腸が痙攣するように激しい痛みを起こしている
  • 押すと痛みが強くなる
  • 冷汗・めまい・頻脈・動悸などの貧血症状を伴う

できるだけ早く消化器内科受診が必要です

  • 空腹時や食後など決まったタイミングで痛みを起こす
  • 下痢・発熱・吐き気や嘔吐を伴う
  • 血便・吐血を伴う

当院では経験豊富な専門医が消化器内科の診療を行っており、幅広い腹痛症状や消化器疾患に対応可能です。腹痛がある場合にはお気軽にご相談ください。

腹痛の種類

腹痛を起こす疾患は多岐に渡りますが、腹痛を起こすメカニズムによって、内臓痛・体性痛・関連痛の3種類に分けられます。

内臓痛

内臓が急激に収縮・痙攣を起こしたことで生じる腹痛です。痛みを起こしている部分がはっきりとせず、だいたいこの辺りという程度のことが多くなっています。周期的な鈍い痛みを起こすことが多く、下痢や便秘、冷汗、吐き気などを起こすこともあります。

体性痛

腹膜や腸間膜、横隔膜などが刺激を受けて生じている腹痛です。痛みを起こしている場所がはっきりわかり、刺すように鋭い痛みとして感じることが多くなっています。動作や触れるなどによって痛みが強まります。

関連痛

原因となっている場所から離れた部分に痛みが生じています。代表的なものに、虫垂炎の初期に起こる上腹部の痛みがあります。痛みの内容は体性痛と似ており、鋭い痛みとして感じます。

腹痛を伴う病気

上腹部の痛み

逆流性食道炎

強い酸性の胃酸や消化酵素を含む胃の内容物が食道に逆流し、食道粘膜に炎症を起こす疾患です。主な症状に胸焼け、呑酸、咳などがあります。加齢が原因となって発症する場合も多いのですが、近年では食事内容や肥満、腹圧上昇などの生活習慣から幅広い世代の発症が増加傾向にあり、再発を繰り返すケースも増えています。

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慢性胃炎

胃に慢性的な炎症を起こしている状態で、主な原因はピロリ菌感染です。次いで多いのは、非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)の服用によるものです。慢性的な炎症が続くと萎縮性胃炎に進行し、胃がん発症リスクが上昇してしまいますので、早めに消化器内科を受診してしっかり治し、再発を予防することが重要です。

胃潰瘍

胃壁が深くえぐれるようにダメージを受け、潰瘍化している状態です。みぞおちの痛み、左わき腹の痛み、背中の痛みが食後に起こることが多くなっています。大出血や胃壁に穴が開く穿孔を起こした場合は、緊急手術が必要になります。

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十二指腸潰瘍

胃と小腸の間にある十二指腸に生じる潰瘍です。胃潰瘍と違い、空腹時に痛みを生じやすい傾向があります。原因は胃潰瘍と同様です。十二指腸壁は薄いので穿孔リスクが高く、早期の適切な治療が必要です。

急性膵炎

膵液に含まれる消化酵素が膵臓自体を自己消化して炎症を起こしている状態です。上腹部の強い痛みが食後に起こることが多く、背中にも強い痛みが起こることがあります。疑わしい症状があった場合には、できるだけ早く消化器内科を受診してください。

胆のう炎

胆管に胆石が詰まって胆汁のうっ滞や逆流を起こし、細菌感染して炎症を起こしている状態です。右上腹部や背中の激しい痛みがあり、急性胆のう炎が疑われる場合は命にかかわる可能性がありますので、速やかに受診してください。

下腹部の痛み

腸閉塞

腸内の内容物が先に送られず詰まってしまっている状態で、腹部全体の痛みや膨満感を起こします。危険の状態であり、できるだけ早く受診して適切な治療を受けてください。

クローン病

難病指定された疾患で、主に小腸や大腸に慢性的な炎症を生じますが、消化管全域に病変を生じる可能性があります。下腹部の痛みを起こすことが多く、下痢や血便なども生じやすい症状です。炎症が深い部分に及ぶことがあり、深刻な合併症を起こす可能性があります。症状のある時期と、ない時期を繰り返しますが、症状のない時期にも治療を続けることで良い状態を長く続けることができます。なお、強い炎症が起こっている場合には栄養療法が必要になります。

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潰瘍性大腸炎

慢性的な炎症を起こす難病指定された疾患で、クローン病と似ていますが、潰瘍性大腸炎では炎症が大腸を中心に起こり、比較的浅い部分にできます。主な症状は腹痛、下痢、血便であり、症状のない時期にも治療を続けることで、良い状態をできるだけ長く維持できるようにします。潰瘍性大腸炎とクローン病は症状などが似ていますが異なる病気であり、治療法も異なります。当院では専門医が潰瘍性大腸炎とクローン病をしっかり見極めて確定診断し、適切な治療を行っています。

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便秘

便秘には腹痛を伴うことが多くなっています。腹痛に加え、膨満感や残便感も生じやすい症状です。便秘は疾患の症状や薬の副作用として起こっていることがありますので、慢性的な便秘がある場合には原因を確かめることが重要です。当院では消化器内科の専門的な診療を行っており、再発防止も視野に入れた便秘の治療を行っています。便秘でお悩みがある場合はお気軽にご相談ください。

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大腸憩室症

大腸粘膜にポケット状の組織ができている状態です。憩室があること自体には問題ありませんが、腹痛や腹部不快感を生じることがあります。また、憩室が炎症や出血を起こした場合には、下腹部の強い痛みを生じます。

鼠径ヘルニア

鼠径は脚の付け根部分のことで、この部分の皮膚下に腸などの内臓がはみ出してしまっている状態が鼠径ヘルニアです。腹圧がかかると鼠径部にふくらみができ、腹圧が下がるとふくらみがなくなりますが、腹圧を下げても戻らなくなる嵌頓を起こすことがあり、その際には激しい腹痛を生じます。嵌頓による腹痛が生じているのはとても危険な状態であり、速やかに救急対応している医療機関への受診が必要です。

大腸がん

早期にはほとんど自覚症状がありませんが、進行すると下痢や便秘、血便、腹痛などを起こすことがあります。腹痛を起こしている場合はある程度進行している可能性が高いため、できるだけ早く消化器内科を受診して適切な治療につなげることが重要です。

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急性虫垂炎

一般的に「盲腸」と呼ばれていますが、実際には細長い虫垂部分に炎症を起こしている状態です。痛みが上腹部にまず起こり、徐々に右下腹部に痛みが移動していくことがよくあります。軽度の炎症の場合には抗生物質による治療が可能ですが、ほとんどの場合は手術が必要になります。

腹痛を軽く考えず、気軽に受診して原因を確かめましょう

腹痛を軽く考えず、気軽に受診して原因を確かめましょう腹痛は冷えや食べすぎで一時的に起こることも多く、日常的な不調と軽く考えてしまうこともあると思いますが、深刻な疾患の症状として生じている場合もあります。激しい痛みなどがある場合はもちろんできるだけ早く受診が必要ですが、軽い腹痛でも慢性的に続く場合や繰り返す場合には消化器内科を受診して原因を確かめる必要があります。また、いつもと違うなど違和感がある場合や、一時的な腹痛の場合もお気軽にご相談ください。
軽度の症状しか起こさない消化器疾患でも、進行させてしまうと日常生活に支障が生じるほど大変な治療が必要になるものもあります。どんな疾患でも早期発見できれば、楽な治療で完治・改善できる可能性が高くなります。また、近年になって消化器症状を効果的に解消できる市販薬が登場していますが、こうした市販薬は症状を緩和することはできても原因疾患を治すことができず、服用を続けて受診が遅れたことで進行させてしまうケースがあります。市販薬を服用して解消できるから、繰り返し腹痛が起きても大丈夫と考えるのは危険です。
当院では高度医療機関で消化器の専門的な診療の研鑽を積んできた専門医が診療を行っていますので、気になる症状がありましたらお気軽にご相談ください。

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